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更年期女性が飲むべきサプリメントは?選び方のポイントは?医師が回答!【永久保存版 後編】|OTONA SALONE[オトナサローネ] | 自分らしく、自由に、自立して生きる女性へ - OTONA SALONE

年齢を重ねるとともに気になり始める更年期。閉経の前後5年を一般に更年期といいますが、その始まりも終わりも、症状も人それぞれ。病院へ行くほどでもない症状なら、我慢する人もいます。「更年期女性のもやもやした体調不良、どうしたらいい!?」この悩み、なんとサプリメントで対策できるそう!その方法を、満岡内科循環器クリニックの院長で医学博士の満岡孝雄先生が教えてくださいました。永久保存版です!

▶【この記事の前編】更年期女性はなぜ「サプリメントを飲んでおいたほうがいい」のか?専門医師が解説

「私にはどんなサプリメントが必要ですか?」更年期世代は3つのカテゴリーから選びます

私の提唱するサプリメントの選び方は、

1・基本サプリ ……誰でも服用する

2・抗酸化サプリ……抗酸化能(酸化を防ぐ能力)に期待

3・症状サプリ ……症状に応じて

という3段階で構成されています。以下に詳しくその内容と選び方を説明していきましょう。

1「基本サプリメント」はみんなができるだけプラスしてほしい

「基本サプリメント」は健康で生きるために必要な基本栄養素群です。バランスよく揃えることで、すべての栄養素が最大限に働きます。ビタミン・ミネラルは身体を動かす潤滑油ですから、特に必須です。

マルチビタミン・ミネラル   … 健康な体づくりに必要なビタミン、ミネラルをバランスよく配合

ビタミンD          … 丈夫な骨を作る。メンタルの安定、免疫力強化などにも

ビタミンC                    … 皮膚をつくるコラーゲンの生成に必要。活性酸素消去、免疫力強化などにも

カルシウム          … 骨や歯の材料となる。神経の安定。抗アレルギーなどにも

オメガ3(EPA・DHA)    … 細胞膜を作る。血栓予防、抗炎症作用、脳機能改善などにも

プロバイオティクス(乳酸菌など)… 腸内細菌を整え善玉菌を育てるなど

■マルチビタミン・ミネラル

健全な生理反応のために不可欠。食事から十分な量を摂取するのは困難なため、サプリメントで補ってください。十分な量が採れていない場合、まず「いま生きるため」の反応に使われてしまいます。従って「長く生き続ける」ための反応が後回しになるため、慢性疾患のリスクが上昇してしまいます。

■ビタミンD

インフルエンザやコロナなどのウィルスに強い体を作るには、ビタミンDがお勧めです。カルシウムとともに強い骨を作り、十分なビタミンDを保つことでがん(乳がん・結腸がん)、自己免疫疾患、感染症、認知症やうつ、転倒などのリスクを低減します。残念ながら多くの人がビタミンD不足です。

ビタミンC
皮膚や腱、軟骨などを構成するコラーゲンの生成に必須なビタミンです。後で説明する活性酸素を消去することで細胞を保護します。免疫機能に働き、風邪やインフルエンザなどの症状予防や緩和の効果も報告されています。ヒトは体内でビタミンCを作れません。ですから、食品やサプリメントで摂取する必要があります。

■カルシウム

カルシウムは体の中で最も多いミネラルです。骨や歯の材料となり、イライラやストレスなどを静め、神経を安定させる役割があります。筋肉(平滑筋を含む)の収縮に不可欠で、抗アレルギー作用もあります。カルシウムは、マグネシウムと2:1の比率でからだの調子を整えてくれるので、マグネシウムも合わせて摂るといいでしょう。

■オメガ3

オメガ3は、サンマやサバなどの青魚、シソ油、亜麻仁油などに多く含まれる不飽和脂肪酸で、細胞膜を作ったり血液をサラサラにしたり、炎症を抑えたりします。オメガ3のサプリメントが、脳機能を改善し脳の萎縮を防ぐという研究結果も出ています。サプリメントでおなじみの成分、EPA、DHA、リノレン酸などが、オメガ3です。

■プロバイオティクス

腸内細菌のバランスを整えて善玉菌をふやし、腸内の異常状態を改善し、健康に良い影響を与える生きた微生物を、プロバイオティクスといいます。ヨーグルトに含まれる乳酸菌やビフィズス菌がそれです。ヨーグルトは、砂糖が入っていないプレーンを選びましょう。腸内環境が整うと、体に栄養を供給し、消化吸収、排せつ、免疫などの機能が正常に動いてくれるので、感染予防や解毒力も保持できます。

プロバイオティクスと似たものにプレバイオティクスがあります。プロバイオティクスの働きを助ける物質で、オリゴ糖類や食物繊維などが代表的です。言い換えれば善玉菌のエサになるものですので、特に食物繊維は野菜や穀類でしっかりととりたいものです。

体はいつも、まず生きることを最優先に栄養素を使います。長生きや美肌は後回しです。だからこそ、美しく長生きするためには栄養素をバランスよく摂ることが必要なんです。

2「抗酸化サプリメント」で老化防止

2つ目は「抗酸化サプリメント」です。抗酸化とは、体が酸化しないよう抑制することをいいます。簡単にいうと、老化防止です。体に取り込んだ酸素のうち、エネルギーを作るために一部の酸素が活性化します。これを活性酸素といい、活性酸素が過剰にできると体をサビつかせてしまいます。DNAを壊したりタンパク質を悪変したりして、老化させてしまうんです。また、紫外線を浴びることでも活性酸素は発生し、シミやシワの原因になります。

ビタミンC、ビタミンE      … 総合的な抗酸化(活性酸素から体を守る)など

ファイトケミカル(ポリフェノール、カロテノイド) … 抗酸化など

アルファリポ酸         … エネルギーを作る。疲労回復。抗糖化など

コエンザイムQ10(CoQ10)    … エネルギーを生成し健康寿命を助ける。

クルクミン           … 肌の保湿、シミ改善、認知症予防など

アスタキサンチン        … 眼精疲労の改善、筋肉持続力向上、肌のシワ・シミ・キメ改善など

■ビタミンC、ビタミンE

抗酸化作用を持つビタミンの代表格が、ビタミンCとEです。体全体の、総合的な抗酸化を司ります。ビタミンCはストレス緩和、Eは免疫力低下の防止にも役立ちます。

■ファイトケミカル

ファイトケミカルは、植物が紫外線や害虫などから自身を守るためにつくりだす抗酸化物質です。ポリフェノールとカロテノイドに大別されます。人は色とりどりの野菜や果物などを食べることで、抗酸化力を高めることができます。

■アルファリポ酸

アルファリポ酸は、細胞を作るミトコンドリアの中にあり、エネルギーを作り出しています。心臓の動きや呼吸に欠かせない成分で、じゅうぶんな量があることで、疲労回復や糖尿病の予防、美しい肌の維持などが可能になります。

■コエンザイムQ10

コエンザイムQ10は、健康に生きるためのエネルギー生成に欠かせない成分でありながら、加齢とともに失われ、50歳で最大期の半分になります。サプリメントで補え、心臓や線維筋痛、ドライマウスなどの改善も報告されています。

■クルクミン

ウコンやカレーのターメリックに含まれる成分で、抗酸化作用があります。保湿力が高くシミの予防に役立つほか、認知症予防効果の報告もあります。

■アスタキサンチン

別名マリンビタミンとも呼ばれる、鮭やエビ、カニなどに含まれるピンク色の天然色素です。 強力な抗酸化作用があります。肌のシワ、シミ、キメなどの改善、眼精疲労の改善、筋肉持続力の向上などの働きがあります。

また、最近はエネルギーを生み出すミトコンドリアの働きを活性化させる、5-ALA (アラ/5-アミノレブリン酸)も注目されています。血糖値の正常化や深い眠りも期待できる成分です。よりエネルギーを生み出せるようになれば、エネルギー不足で起きるさまざまな老化の改善につながります。

サビ止めには、実は緑黄色野菜も役立ちます。あの彩り豊かな色に、サビ止め成分が含まれているんです。専門家が揃って「野菜をたっぷり食べましょう」というのは、このためです。果物でもいいですが、同時に糖分も摂ることになりますので、食べるなら片手のひらに収まる量を目安にしましょう。

3「症状サプリメント」は具体的な病状に合わせて飲む

3つ目は「症状サプリメント」です。いま感じている不調や、予防したい具体的な病状に合わせて使います。

ギンコビローバ …物忘れなど

グルコサミン  …膝関節痛など

エクオール   …更年期症状の緩和など

■ギンコビローバ

いちょうの葉から抽出した成分で、脳の活動を活性化します。記憶機能の改善やPMS(月経前症候群)によるイライラの緩和効果も期待できます。

■グルコサミン

グルコサミンは、変形性膝関節症の痛みを和らげる効果が報告されています。甲殻類から作られる製品もあるので、甲殻類アレルギーの人は成分を確認して購入しましょう。

■エクオール

エクオールは、更年期治療でよく使われるHRT(ホルモン補充療法)の代替としても知られています。エストロゲンという女性ホルモンと似た働きをし、ホットフラッシュ・肩こり・めまい・耳鳴り・不眠・不安など更年期の諸症状を和らげます。

また、更年期に効果的な成分として、最近は豚のプラセンタも注目されています。2017年に日本産科婦人科学会が発表した「産婦人科診療ガイドライン 婦人科外来編2017」で、ブタプラセンタが更年期症状の緩和に効果があると報告しています。のぼせほてり、うつ、倦怠感、肩こり、尿失禁、関節痛、肌荒れなどですね。プラセンタやエクオールは、肌がきれいになる点でも人気があるサプリメントです。見た目が若い人は細胞レベルで若いことが、研究で分かっているんですよ!

もちろん、3カテゴリー全種類を摂る必要はありません。まずは基本サプリメントを試して、調子がよければ基本だけでもいいんです。足りない栄養素が分かっている人は、足りないものを補うだけでじゅうぶん。なんとなく老化を感じるときは、抗酸化サプリメントをプラスして、膝関節痛や更年期の症状を感じるのであれば、それぞれの症状に合わせたサプリメントをプラスしましょう。

サプリメントの効果を判断する目安は3カ月

いずれのサプリメントも、3カ月を目安に飲み続けることを勧めています。細胞は日に1%ずつ入れ替わり、100%で一新となります。つまり100日、約3カ月ですね。3カ月続けて変化を感じなければ、そのサプリメントは体に合わなかったのかもしれません。

サプリメントは、健康な体づくりをサポートする食品で、薬のように飲んですぐに効くものではありません。代謝の中で徐々に変化をもたらすものです。代謝が一巡し、健康な体を維持しやすくなれば、ウィルスや紫外線などの外敵に強い体でいられます。病気とまではいえない、なんとなくの不調にお悩みの方や、これから迎えるであろう更年期の予防をしたい方は、サプリメントを始めてみてはいかがでしょうか。

▶【この記事の前編】医師が回答!更年期女性が飲むべきサプリメントは?選び方のポイントは?

お話/医療法人社団 満岡内科循環器クリニック 院長・医学博士  満岡 孝雄先生

長崎県諫早市生まれ。医学博士。1974年北海道大学医学部卒業後、長崎大学医学部第三内科(現循環器内科)にて、17年間不整脈の権威の橋場邦武教授のもとで一般内科および循環器内科の研修および研究。英国ロンドン大学・米国トーマスジェファーソン医科大学留学。長崎大学医学部講師。1991年北海道大樹町立病院長。過疎地における地域医療の実践。1999年開業とともに、現国立病院機構帯広病院にて不整脈専門外来を担当。専門は不整脈、循環器内科。世界の主要な心臓病学会フェロー(FACC、FESC、FJCC)。2005年より究極の予防医学であるアンチエイジング医療に関心をもち、2010年北海道で初めての日本抗加齢医学会認定医療施設に認定。老化を先送りし、健康増進のためにアンチエイジング・ドックを行い、その結果をもとに、運動・生活・栄養・サプリメント・男女のホルモン補充などを処方し、みなさんの健康幸福長寿をサポート。日本抗加齢医学会・専門医・評議員・元理事。日本更年期と加齢のヘルスケア学会理事・北海道支部長・シニアメノポーズカウンセラー・サプリメントアドバイザー。

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