飲酒が血圧の上下動を招く
それでは、一般に酒を飲むと循環器系にはどのようなことが起きるのだろうか。
「アルコールが体内に入ると、自律神経のうち交感神経が活性化し、心拍数が増加します。一般的に交感神経が優位なときは、血管が収縮して血圧が上がりますが、アルコール(エタノール)に血管を拡張させる効果があるので、飲酒時は血圧が低下するのです。しかし翌日には、まるでその反動が来たかのように血圧が上がります。なぜそうなるのかは具体的には分かっていません」(山下氏)
一瞬、血圧が下がると聞いてぬか喜びをしてしまったが、翌日には血圧が上がってしまうのは恐ろしい。山下氏によると、「アルコールの代謝物であるアセトアルデヒドなどによって交感神経が刺激され、翌日の血圧上昇につながっている可能性はあります」とのこと。アルコールの分解能力が低く、アセトアルデヒドが体内に長く残る人ほどその影響を受けやすいと言える。
山下氏によると、「慢性的に飲む人ほど、血圧の上下動による影響が大きくなる」という。
「飲酒時に血圧が低下し、その反動からの血圧が上昇するのに加えて、おつまみによる塩分摂取が高血圧を招くと考えられます。毎日のようにそうした生活を送って、血圧の大きな上下動を繰り返していたら、動脈硬化のリスクも高くなるでしょう」(山下氏)
疫学調査ではポジティブな影響も考えられるが…
だが、アルコールは循環器系に対し、ポジティブな影響もあるはず。過去の疫学調査では、それが示唆されていた。適量を飲んでいる分には、血流も良くなって、心臓や血管の健康につながったりしないのだろうか。
「確かに、そのような疫学調査の結果は国内外ともにあります。まったくお酒を飲まない人に比べて、1日平均で純アルコール換算10~20グラム程度を飲む人は循環器系の病気のリスクが低いというものです。ただそれは、適量を守ってお酒を飲むライフスタイルが定着している人だからこそ、病気のリスクが低いという面もあるのではないかと個人的には思っています」(山下氏)
純アルコール換算で20グラムに相当するが、ビール中瓶1本、日本酒1合、ワインなら1~2杯だ。その程度で飲むのをちゃんとやめられるような人は、自分の健康に気を使っている人なのかもしれない。
「適量を飲めば循環器系に良い影響があるからといって、お酒に弱い人が無理に飲む必要はありません。アセトアルデヒドには発がん性があり、さまざまながんの原因につながります。また、少量の飲酒でも高血圧のリスクになるといわれています。健康のことを考えると、『酒は百薬の長』というより、なるべくなら飲まないほうがいいと言わざるを得ません」(山下氏)
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