12月1日は世界エイズデーでした。HIV(エイズウイルス)感染症関連のイベントが多数開催されるからなのか、毎年このシーズンになるとHIVについての質問・相談が増えます。そして、HIV関連で現在最も多い問い合わせが「暴露前予防(Pre-exposure prophylaxis 以下は略してPrEP<プレップ>とします)」についてです。これは、予防薬を毎日飲むなどの方法で、HIV陽性の人と性交渉をしても、自分は感染しないようにする方法です。最近、この「予防法」を求める人が急増しています。PrEPは世界的にはHIVの標準的予防法の一つですが、注意点がいくつもあります。そして、私の印象で言えば、その注意点を理解していない人が少なくありません。今回は、HIVのPrEPについて、その問題点を指摘することで安易な使用に警告を鳴らしたいと思います。
HIVのPrEPについては過去に2回紹介しました。初回は2016年の「HIV感染、事前も事後も薬で防げるが…」で、2回目は19年の「HIV感染の心配に『海外では』安く使える予防薬」です。
希望者が増えてきた「PrEP」
16年の時点では、谷口医院でPrEPを実施していたのは、ほとんどが外国人(国によっては自国の保険で個人負担がわずかになります)でした。しかし21年からは、PrEPで使う予防薬として海外の後発品を谷口医院が独自に輸入し、安価な薬の処方を日本人にも開始しました。(なお、日本では現在でもPrEPを保険診療で行うことが認められておらず、すべて自費診療となります。HIVのPrEPは通常毎日1錠の抗HIV薬を内服します。先発品を使えば、以前…
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