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ゆるすぎる日本の飲酒量基準 薬を使ってお酒を控える方法とは | 実践!感染症講義 -命を救う5分の知識- | 谷口恭 - 毎日新聞

 「認めたくない」という人も少なくないでしょうが、アルコール摂取はたとえわずかでも、少なくとも7種類のがん及び高血圧や心血管系疾患のリスクを上昇させ、そして(おそらく)頻度は不明ですが、精神疾患や認知症、さらに事故のリスクも上げます。前回のコラムで述べたように、1990年代にもてはやされた「フレンチパラドックス」は既に崩壊したと考えるべきです。今も「赤ワインが健康によい」と信じている人もいないわけではありませんが、少なくとも健康のために他人に推薦することは社会からは受け入れられなくなっています。他方、前回の最後に述べたように、アルコールには「リラックスできる」「他人とのコミュニケーションが潤滑になる」という社会的・心理的なメリットがあります。ならば、大量摂取は論外としても「少量摂取」すなわち「節酒」という方法が残されています。今回は、節酒のための新しい治療法を紹介します。

節酒の理由や方法はさまざま

 「飲酒量を減らしたい」と考えている人にもいろんなタイプがあります。例えば一人で飲むときは缶ビール1本程度だけど、飲み会の場になるとつられて飲んでしまう人がいます。こういうケースはアルコール依存症と診断されるわけではありませんし、毎回二日酔いになるとか、記憶がなくなるといった飲み方をしないのであれば断酒する必要はないでしょう。古典的な節酒法、すなわち「乾杯でグラスをあける習慣をやめる」「ビールとノンアルコールビールを交互に飲む」などで飲酒量を減らすことができる人もいます。

 一方、一人で飲んでも飲み始めるとついつい行き着くところまで行ってしまう、という人は依存症の診断がつけられます。さらに、「朝から飲む」「隠れて飲む」「飲酒したことを家族や同居人に隠す」「飲酒のために予定を変更する」といったところまで進行すれば「重度の依存症」の可能性が高く、治療には「断酒」を検討すべきであるといえます。

 重度のアルコール依存症の場合、少量でとどめようと誓っても、1杯飲むと歯止めがきかなくなることがあります。また、しばらく禁酒していても、「たまには少しだけ……」と考えて1杯に手を出すと、一気に重度の依存症に逆戻り、ということがあります。よって、かつてはアルコール依存症の治療には「完全…

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