飲酒に伴うリスクを周知し健康障害を防ぐため、厚生労働省は初の指針「健康に配慮した飲酒に関するガイドライン」を正式決定し、19日公表した。酒量より純アルコール量に着目することが重要だとし、疾患別に発症リスクを例示。大腸がんは1日当たり約20グラム以上で、高血圧は少量でもリスクが高まるとしている。飲む際は量を決めるなどの留意点も挙げた。
純アルコール量20グラムはビール中瓶1本や日本酒1合、ウイスキーのダブル1杯に相当。指針によると、1日当たりの摂取量として脳梗塞は男性40グラム、女性11グラムで発症の恐れが上がる。女性の乳がんは14グラム、男性の前立腺がんは20グラム。男性は、少しでも飲酒すると胃がんや食道がんを発症しやすくなるとの報告がある。
高齢者は若い時に比べて酔いやすく、一定の酒量を超えると認知症発症や転倒のリスクが高まる。若年者は多量に飲むと脳機能が落ちるほか、飲んで顔が赤くなるなどアルコール分解酵素の働きが弱い人は、口内や食道のがんのリスクが非常に高くなるという。
避けるべき飲み方として、不安・不眠を解消するために飲む、他人に強要するなどの例を示した。健康への配慮では、飲む前や最中に食事を取ったり水を飲んだりする、1週間のうちに飲まない日を設けるといったことが有効だとしている。
厚労省の担当者は「体への影響は年齢や体質によって異なり、ガイドラインを参考に自分に合った飲酒量を決めることが大切だ」としている。
政府の健康づくり計画「健康日本21(第3次)」では、生活習慣病リスクが高まるとされる純アルコール量「1日当たり男性40グラム以上、女性20グラム以上」を飲む人を減らすことを目標にしている。
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