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酒の強さは何で決まる? 悪酔い・二日酔いを避ける飲み方 - 日経Gooday

忘年会や新年会など酒を飲む機会が増える時期になると、「久しぶりに飲んだら酒に弱くなっていた」ということに気づく人も多い。なぜ酒に強くなったり弱くなったりするのだろうか。それには、個人の体質や肝臓でアルコールを代謝する仕組みが関わってくる。そこで、本テーマ別特集では、酒を代謝する仕組みや悪酔いしない飲み方、がんなどの病気とアルコールの関係などをコンパクトに紹介していく。


(写真はイメージ=123RF)

(写真はイメージ=123RF)

 忘年会や新年会など、酒を飲む機会が増える時期になると、「久しぶりに飲んだら酒に弱くなっていた」ということに気づく人も多い。

 いったい、酒の強さはどのように決まるのだろうか。なぜ、酒に強くなったり弱くなったりするのだろうか。それには、個人の体質や肝臓でアルコールを代謝する仕組みが関わってくる。

 こうしたメカニズムを知っておくと、悪酔い・二日酔いを避ける飲み方が分かるだけでなく、アルコールが原因となるがんなどの病気のリスクを下げることにも役立つ。本テーマ別特集では、酒を代謝する仕組みや悪酔いしない飲み方、がんなどの病気とアルコールの関係などをコンパクトに紹介していく。

久しぶりに飲むと酒に弱くなっているのはなぜか

 酒の強さはどのように決まるのだろうか。自治医科大学附属さいたま医療センター消化器内科元准教授で肝臓専門医の浅部伸一氏に、まず体内でアルコールが分解されるプロセスを教えてもらった。

 「アルコールは胃や小腸で吸収され、主に肝臓で分解されます。アルコール(エタノール)は、まず分解されて『アセトアルデヒド』になり、次に無害な『酢酸』になります。アセトアルデヒドの分解が遅い体質の人は、少量の飲酒でも顔が赤くなったり吐き気がしたりするフラッシング反応が起きます」(浅部氏)

 アルコールの代謝経路には大きく2つあり、1つは「アルコール脱水素酵素(ADH1B)」と「アルデヒド脱水素酵素(ALDH2)」によるもの、そしてもう1つは薬などの代謝で使われる「MEOS(ミクロゾーム・エタノール酸化酵素系)」という酵素群によるものだ。アセトアルデヒドの分解が遅い体質の人は、遺伝的にアルデヒド脱水素酵素の働きが悪くなっていることが多い。

 「アルコールが代謝されてできた酢酸は、アセチルCoA(補酵素A)に変換されます。アセチルCoAは重要な物質で、これからATP(アデノシン三リン酸)が生成され、体の中でエネルギー源として利用されます。ATPから産出されるエネルギーを使って私たちの体は生命を維持しているのです」(浅部氏)

アルコールの代謝経路

アルコールの代謝経路

 アルコールが代謝されてできた物質がすべてエネルギー源として使われるのであれば問題ないのだが、実際にはそうではない。

 「大量にお酒を飲むと、余ったアセチルCoAは脂肪酸を経て中性脂肪に変えられ、肝臓をはじめ、皮下や内臓に蓄えられます。お酒好きの多くが悩む中性脂肪過多は、これが主な原因です。お酒を飲む際、油っこいものをおつまみにすると、より体内の脂肪酸が増え、中性脂肪の増加につながるので注意が必要です」(浅部氏)

 内臓にたまった中性脂肪は、脳梗塞や動脈硬化、肝臓がんなどのリスクを高めるので甘く見てはいけないという。

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