前編では、コーヒーにはどういった健康効果があるのかを述べた。後編では、健康的なコーヒーの飲み方について紹介していく。コーヒーの健康効果に詳しい大東文化大学スポーツ・健康科学部健康科学科教授の福島洋一氏への取材から、コーヒーの飲み方で気を付けたい4つのポイントが見えてきた。
>前編: 酒好きはコーヒーを飲むべき? コーヒーがもたらす健康効果
コーヒーは1日に何杯がいい? 1日の摂取カフェイン量は
コーヒーは今や総死亡リスクの低下や2型糖尿病、パーキンソン病や肝がんの発症リスクの軽減など様々な健康効果と関連していることが分かってきた(前編を参照)。健康効果を発揮するためには、私たちは1日に何杯コーヒーを飲めばよいのだろうか。また、一般にコーヒーはカフェインが含まれるが、カフェインはどのくらいまでならとってもいいのだろうか。
コーヒーの健康効果に詳しい大東文化大学スポーツ・健康科学部健康科学科教授の福島洋一氏は、「1日に飲むコーヒーの杯数は、3~5杯程度が好ましいと思います。残念ながら日本の公的機関ではカフェインの適切な摂取量を出していないのですが、欧州食品安全機関(EFSA)が公表している、健康への悪影響について懸念が生じないカフェインの摂取量の基準を踏まえると、成人では1日5杯程度までは特に問題ないことになります」と話す。
コーヒーとカフェインの安全性への懸念の生じない摂取量
- カフェイン
成人:400mg/日以下(200mg/回まで)
妊婦・授乳婦:200mg/日以下
小児:体重30kgに対して90mg/日(1日当たり3mg/kg体重)以下
↓
- コーヒー
コーヒー1杯(150mL)当たりのカフェイン量をおよそ80mgとしたとき、成人は1日5杯まで
「5杯程度まで」とする理由は分かった。では、「3杯以上が良い」とする根拠はどこにあるのだろう。コーヒーを複数杯飲んだ方が健康に良いことは、様々な研究から明らかとなっている。前編を振り返ると、2型糖尿病と肝がんのリスク低下では、杯数が多いほど強く関連していた。また、総死亡リスク低下との関連でも、あるメタ解析(*1)において1杯/日以下より、2杯/日以上飲んでいる方が総死亡リスクの低下が見られた。
図1 コーヒーの摂取量と総死亡リスクとの関連
コーヒーは1杯/日以下より2杯/日以上の方が総死亡リスク低下と強く関連していた。(データ:Li Q, et al. Journal of Human Nutrition and Dietetics. 2019 Jun; 32(3): 279-287.より作図)
福島氏は、「前提としてリスク低下に関連する杯数は疾患によって異なることがあります。しかし、3杯程度飲んでいればコーヒーの疾病リスク低減効果に関する様々な研究で良い結果が出ていると思います。コーヒーは嗜好品ですが、一定量以上飲んでいる人は得する可能性があると言っていいでしょう」と話す。
寝る前のコーヒーはOK? 飲みたいときはどう飲めばいいか
先程、カフェインは400mg/日までが健康への悪影響について懸念が生じない摂取量だという話をした。しかし、その摂取量を守っていたとしても、カフェインには覚醒作用があるため睡眠時刻との兼ね合いに注意したい。福島氏は「カフェインは摂取から4時間後でも半分量くらいは体内に存在するのです。さらに、年齢を重ねると代謝機能が落ちてくるので寝る4時間前より早い時間にコーヒーを飲んでも眠れなくなってしまうことがあります」と指摘する。
厚生労働省が出している「健康づくりのための睡眠指針2014」の第2条では「就寝前の喫煙やカフェイン摂取を避ける」とある。具体的には、就寝前3~4時間以内のカフェイン摂取は、睡眠の質の低下につながる可能性があるとして控えた方がよいとしている。そのため、福島氏は「できるだけ就寝前の3~4時間前、寝付きの悪くなった経験のあるカフェイン感受性の高い人はもっと早い時間から、コーヒーはデカフェ(カフェインレス)のものを飲みましょう。デカフェでも健康成分であるポリフェノールはたっぷり入っています」と推奨する。
*1 Li Q, et al. Journal of Human Nutrition and Dietetics. 2019 Jun; 32(3): 279-287.
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