日が暮れた三崎漁港にぽつりぽつりと飲食店のあかりがともる。客のほとんどは地元の人たち。小さな夜の街がいま、苦境に立たされている。帰りの足がないのだ。
「タクシーがつかまらないのは、本当に切実」
漁港近くで「茶房スナックCABIN」を経営する辻あゆ美さん(57)は嘆く。船室をイメージした店内にはランタンがぶらさがり、船員が行うロープワークを記したポスターが飾られている。
スナックで、お酒を飲まない常連客も
母の代から営業し、創業60年を超える老舗だ。以前からタクシーはつかまりにくかったが、コロナ禍で拍車がかかった。「高齢の運転手も多かったから、引退した人も多いみたい」
20~30分かけて歩いて帰らなければならないとなると、安心してお酒を楽しめない。客足は遠のき、周辺では早く閉める店も増えた。辻さんのお店も閉店時間を午前2時から1時間早めた。
常連客の30代男性はお酒は飲まず、カラオケや食事を楽しむ。「タクシーがつかまらずに痛い経験をしたので、飲まなくなりました」
辻さんは「地域の足がなくなると、地域が衰退するんです」。
神奈川県は三浦市を対象に、自家用車を使って一般のドライバーが有料で客を運ぶ「ライドシェア」を導入する検討を始めた。
「神奈川版ライドシェア」と称し、タクシー会社が運行管理やドライバーの登録や研修を行い、使う車もタクシー会社が認めたものに限る。アプリによるデジタル化も進める考えだ。
三浦半島南端に位置する三崎漁港の周辺は、京急久里浜線の終点・三崎口駅から6キロほど離れていて、タクシーがつかまりにくいという事情がある。
スナックの店主が考える「ライドシェア」の姿は
辻さんに「どういう形のライドシェアがいいですか?」と尋ねると、辻さんはメモを手に話してくれた。
「利用者が運転手を評価する…
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