今年の夏は暑い! 毎年のようにそう思うが、今年はどうやら気のせいではなく、本当に暑い模様だ。総務省が7月27日に発表した、6月中の熱中症による救急搬送人数は1万5969人で、2021年比のなんと3倍超。統計を取り始めた2010年以降でも最多の数字になったと言う。7月後半からまた暑さが激しくなり、8月に入って緩む気配はほとんどない。 こう暑いと、気になるのが「脱水」だ。 スポーツ医学を専門とし、国立スポーツ科学センター在籍時には同センターにおける東京五輪に向けた暑熱対策プロジェクトを立ち上げ、多くの競技団体、トップアスリートに対し、暑熱対策に関する医化学的なサポートを行った経歴を持ち、最近アスリートや一般人の「暑さ対策」を、最新のスポーツ医学の視点から解説した『
』を上梓した中村大輔氏(現日本サッカー協会、フィジカルフィットネステストプロジェクトメンバー)は、こう語る。 「『脱水』とは、体の水分(量)が不足している状態を指します。汗をかくことで体水分量が減少すると、体温が上昇しやすい状態になってしまうことを意味します。そのため、熱中症のリスクも高まります。また、アスリートや肉体労働をする人の場合、体水分量の減少は、身体中の主な水分である血液量が低下するということなので、心臓が1回の拍動で全身に送り出す血液量も低下します。身体が動くためには、血液を筋肉など必要な部位に行き渡らせる必要があるので、これを補うために心拍数を増加します。心拍数が増加すると、いわゆる“つらい”状態になり、疲労感が高まるのです。そのため、アスリートも一般の人も『脱水』しないようにすることが大切です」
中村先生曰く、脱水量を把握するためには毎朝の体重測定が重要だと言う。 「毎朝、おしっこをした後に継続して体重を記録しましょう。摂取カロリーを変化させずに保った場合、1日の体重変動は1%以内で変動します。そのため、個人差はあると思いますが、特に食事制限などをしていないのに、前日比で体重の1.5%以上体重が減っていたら、『脱水』状態になっていると考えていいでしょう」 脱水状態になった場合、当然ながら適切に水分を摂取することが重要だ。
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