福島医大が準備を進めてきた保健科学部の来年4月開設が正式に決まった。理学療法士や診療放射線技師などの医療技術者を養成する。医学部、看護学部と合わせ、同医大は3学部6学科体制となる。
学部新設の背景には慢性的な医療現場の人材不足に加え、東日本大震災と東京電力福島第1原発事故がある。運動不足やストレスなどで県民の健康指標が急速に悪化し、リハビリなどの運動療法や放射線関連の業務を担う人材を養成する必要性が高まっている。
高度な知識や技術を備え、本県が目指す健康長寿県の実現に向けて医療、介護、福祉の幅広い分野で活躍できる、医療技術者のリーダーを養成してもらいたい。
新学部は理学療法、作業療法、診療放射線科、臨床検査の4学科で構成し、「がん治療」「地域医療」「チーム医療」を重点分野に教育や研究を進める。
最近の医療現場は技術の高度化により、医師と看護師のほか、臨床検査技師や理学療法士など多くの専門職種が連携・協働し、患者の治療やケアに当たるチーム医療が主流となっている。
新学部は医療系総合大学としての利点を生かし、医学部、看護学部の学生との合同授業を計画している。教育段階から異なる分野の学生と交流し、知識や視野を広げることで、学びの質の向上が期待できる。将来のチーム医療を意識した、より実践的な授業になるよう態勢を整えてほしい。
少子化が加速する中、特に地方の大学は、意欲ある優秀な学生を集めることが大きな課題だ。新学部設置は、県内に医療技術者を養成する公立の大学がなく、隣県の山形や茨城、首都圏の大学に若者が流出していた背景もあった。
県や同医大は、最先端の医療機器がそろい、臨床実習や研究などが充実した学部の魅力を県内外の高校生らにアピールし、入学志願者を一人でも多く確保する必要がある。また、県内の医療機関や企業などと連携し、資格を取得した卒業生の地元定着につながる取り組みも欠かせない。
新学部は福島市の福島駅東口の駅前通り沿いに建設中の地上8階地下1階の建物がキャンパスになる。一部とはいえ、同医大は1988年に現在地に移転以来、33年ぶりに市中心部に戻る。
中合福島店が閉店し、駅前の空洞化が懸念される中、若者の増加でにぎわい創出が期待できる。学生向けの飲食店などが少ないとの指摘もある。市や地元商店街は知恵を絞り、活気あふれるまちづくりにつなげることが大切だ。
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November 06, 2020 at 05:58AM
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【11月6日付社説】医大に保健科学部/現場支えるリーダー養成を - 福島民友
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