文部科学省は2020年7月31日、国公私立大学の大学図書館やネットワーク環境の現状に関する「学術情報基盤実態調査」の2019年度の調査結果を公表した。調査内容は大きく「大学図書館」編と「コンピューターおよびネットワーク」編に分かれる。2005年から調査を実施しており、国公私立大学の合計792大学(国立大86、公立大93、私立大613)が回答した。図書館経費と図書数などは2020年3月末日、学内LANなどは2019年5月1日時点の数字となっている。
2018年度(2018年4月〜2019年3月)の国公私立大学の図書館資料費の合計は708 億円で、前年度より5億円(0.7%)減少した。10年前の2008年の資料費は746億円で漸減しているとはいえ5%減にとどまる。
一方で人件費等を含めた図書館運営費(2018年度)は747億円で、前年度より19億円 (2.4%)減少した。10年前の2008年の運用費は854億円で、実に107億円も減少している。運用費を減らしながらも、資料費は維持しようと努力していることがうかがえる。
図書館資料費のうち、紙媒体の資料(図書と雑誌の合計)の費用は273億円で、前年度より15億円(5.4%)減少した。一方で電子媒体の資料(電子ジャーナルと電子書籍の合計)の費用は330億円で、前年度より17億円(5.6%)増加している。
電子媒体(電子ジャーナル、電子書籍、データベースの合計)の費用は一貫して増加しており、10年前の2008年度と合計金額を比較すると122.3%増と倍以上になっている。紙媒体(図書と雑誌の合計)は10年前と比較すると半分近い55.8%まで減少しており、紙媒体から電子媒体へと資料費の内訳が大きく変わってきていることが分かる。
教育研究成果をインターネット上で無償公開する「機関リポジトリ」を持つ大学 は603大学(76.1%)で、前年度より18大学(3.1%)増加した。独自で機関リポジトリを構築・運用することが難しい大学のうち、国立情報学研究所(NII)が提供しているリポジトリサービス「JAIRO Cloud」を利用しているのは427大学(70.8%)に達する。特に、私立大学は機関リポジトリを構築している436大学のうち331大学(75.9%)が利用している。
機関リポジトリに登載されているコンテンツ(電子化された学術情報)数は、216万4384件で、前年度より10.5万件(5.1%)増加した。内訳は教員や研究員の研究内容の論文を査読なしに掲載した紀要論文が半数以上を占め、学術雑誌論文、学位論文が続く。
複数の学生が集まって、さまざまな情報資源を活用して議論を進める学習ができる「アクティブ・ラーニング・スペース」を設置するのは、2019年5月現在で543大学(68.6%)。国立大学の97.7%、公立大学の49.5%、私立大学の67.4%で設置されている。こうしたアクティブ・ラーニング・スペースで提供される学習・研究サポートは、図書館利用・文献検索サポートが41.4%を占め、ITサポート、分野別学習相談が続いている。
学内ネットワーク(学内LAN)に関して、セキュリティポリシーを策定済みの大学は622大学(78.5%)。国立大学では全ての大学が策定済みだが、公立大学では7大学(7.5%)、私立大学の163大学(26.6%)が未策定だ。セキュリティを維持するための経費の確保が課題になりつつあり、前年度より8.6%多い75.9%(601大学)の大学でセキュリティ関連費用が負担になっていると回答している。
情報リテラシー教育を実施している大学は757大学(95.6%)で、未実施の35大学(4.4%)のうち私立大学が30大学(85.7%)を占めている。
全学生を対象に実施している情報リテラシー教育の内容は、「学内LANを利用するために必要な操作方法やルール」が最も多く605大学(82.8%)が実施している。また、情報セキュリティ」は524大学(69.2%)、「倫理・マナー」が558大学(73.7%)の大学が実施している。
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August 04, 2020 at 08:41AM
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