日本の伝統的な飲み物のひとつ甘酒は「麹甘酒」と「酒粕甘酒」に大きく2分されます。特に麹甘酒は古墳時代から存在していることがわかっていますが、その作り方が記されている最古の資料は江戸時代のものになります。蒸米、麹、水を混ぜ合わせ、発酵させると書いてあります。発酵の過程で麹中の酵素が米のデンプンを分解し、ブドウ糖になり甘さが生まれるのです。
甘酒はもともと醴(あまざけ・こざけ)、甘九献(あまくこん) 、古佐介(こさけ)などと記していましたが、江戸時代には街角で甘酒を売る風景が描かれるとともに「甘酒」という記述があることから、江戸時代後期に登場した漢字と言えるでしょう。
昭和に入ると、酒粕を砂糖で調味した「酒粕甘酒」が主流になりました。酒粕甘酒は日本酒製造後に残る酒粕を利用して作られます。酒粕には麹が含まれていますので発酵過程は同じですが、酒粕にもともと含まれていた、タンパク質、葉酸、ビタミンB群、食物繊維などの栄養素が米麹甘酒よりも豊富に含まれます。
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