腸内環境整える「プロバイオティクス」飲むタイミングを専門家が ... - COSMOPOLITAN（コスモポリタン）

「プロバイオティクス」という言葉を、1度は耳にしたことはあるのではないのでしょうか？プロバイオティクスのサプリメントは、腸内環境を改善してくれる微生物がカプセルの中に詰まっています。この微生物のおかげで、お腹の膨れる感じやお通じの改善、消化器官の微生物バランスの調整が期待できると公認栄養士、栄養科学者のステファニー・ネルソンさんは言います。

サプリを買ってみたはいいけど、どうやって、いつ摂るのが良いのか悩んでいませんか？本記事ではプロバイオティクスサプリを飲むべきタイミングにまつわる疑問について、専門家が解説。＜Prevention＞より、お届けします。

「プロバイオティクス」

厚生労働省による「統合医療」に係る情報発信等推進事業は、プロバイオティクスの定義を以下のように説明。

「人の体内に自然に存在する微生物と同じ、または類似の生きた微生物（例：細菌）であり、健康に有益な可能性があると考えられています」

「急性下痢症や抗生物質関連下痢症、アトピー性皮膚炎（乳幼児に最も多く見られる皮膚疾患）の改善に有用な可能性があるとするいくつかの科学的根拠」はあるものの、「ほとんどの症状・疾患に対して、それ以外のプロバイオティクスの使用を支持する強固なエビデンスは不足している」と説明します。

日本ではサプリメントやヨーグルトのように口から摂れるものに加えて、坐薬やクリームの形でも提供されているそう。その他、副作用のリスクや個人差も考慮し、厚生労働省はかかりつけの医療スタッフに相談したあとに、摂りはじめることをおすすめしています。

サプリメントはいつ摂るのが効果的？

消化に関するサプリなので、食事と共に摂るべきだと思うかもしれません。しかし摂るべきタイミングは製品によって変わってくるので注意が必要だといいます。公認栄養士兼博士のマスターネフ・シャラフィさんによれば、製品によっては空腹時に摂るように指示している場合もあるので、説明を読むべきだと言います。

一方、体内の微生物バランスを整える製品やサービスを提供する会社「ヴァイオーム」の栄養科学者ヒラリー・カイザーさんは、「シンプルに、気づいたときに摂取するのでも大丈夫」と考えます。

「多くの臨床実験で、時間に関係なくプロバイオティクスを摂った場合でも、体に良い結果が出るということがわかっています」

空腹時や就寝前に飲んでも安全？

食事といっしょに摂るべきかどうかも、場合によるそう。学術ジャーナル＜ベネフィシャル・マイクローブス＞に掲載された研究によれば、プロバイオティクスの微生物の1種であるサッカロミセス・ブラウディは、お腹が空っぽの状態で飲んだときでも、体内に同数の微生物が残っていたそう。同微生物は、大腸と小腸の微生物バランスを整え、病原菌から胃腸を保護する効果があると言われています。

しかし、ラクトバチルス属乳酸菌とビフィズス菌の場合は、食事の30分前に摂った方が生存率が高いことがわかっています。

2017年に＜ワールド・ジャーナル・オブ・ガストロエンテロロジー＞に掲載された一カ月にわたる研究の結果によれば、プロバイオティクスの摂取は食事の有無に関わらずマイクロバイオームの働きにポジティブな影響があったそうです。

本記事で取材したエキスパートの二人は、説明書で空腹時に摂るように指示されている場合以外は、食事とともに摂ることをおすすめしています。ネルソンさん曰く、「食事の20〜30分前が1番効果的だという研究があります。特に、消化器官が夜の間休んでいた朝ご飯の前に摂るのが良いかもしれません」のだとか。

医者と相談し、どのタイプのプロバイオティクスを摂るのか、そしていつ摂るのかを決めるのが良いでしょう。また、ネルソンさんはサプリだけでなく、プロバイオティクスや食物繊維を含む食べ物も積極的に生活に取り入れることをおすすめします。