Search

コロナ禍3年、酒に飲まれた 専門医「依存症、だれもがかかりうる」 - Au Webポータル

酒ジャーナリスト・エッセイストの葉石かおりさん=鈴木愛子氏撮影

 酒ジャーナリストとして活躍する葉石かおりさん(56)は、決して酒に溺れないと思っていた。だが、コロナ禍ですべてが変わった。

 2020年1月15日、新型コロナウイルスの感染者が日本で最初に確認された後、春に緊急事態宣言が出ると、予定していた仕事は1年先まですべて吹き飛んだ。

 感染拡大の一因として、飲み会がやり玉に挙げられ、「お酒に関する仕事をやっていること自体が非難されるのでは」という考えに襲われた。

 過去にはなかった孤独に陥り、「どうせ仕事はないし」と平日の夕方の早い時間帯に、ビールを1本空けた。

 ふんわりと心地よい酔いがまわった。一時だけ不安や孤独が和らいだ気がした。だが、酒の酔いで不安を忘れる体験を一度覚えてしまうと、癖になっていった。

 通販で購入した5リットルのウイスキー瓶が、2週間で空になり、「さすがにやばい。アルコール依存症になる」という考えが頭をよぎった。体重が4、5キロ増えて、パンツが入らなくなった。

■「操酒」のすすめ

 目を覚ますきっかけは、同年秋に自治体の健康診断を受診したことだった。胃カメラの検査を受けたところ、逆流性食道炎だと診断された。

 段階的に酒量を減らし始めた。休肝日を徐々に増やし、週に1回が達成できたら、週に2回と酒を飲まない日を増やしていった。やがて酒を飲むことが「日常」から「非日常」に変わっていった。

 「いっそ、家で一人で飲むのをやめてしまおう」。休肝日が増えたところで、自宅で一人でいるときは酒を飲むのを一切やめた。

 酒を飲むのは今でも大好きで、週に2回ほど、外で飲んでいる。我慢は続かないと知っているからだ。

 頭に浮かんだのが、自らの意志で酒量や飲む頻度をコントロールしている「操酒(そうしゅ)」という言葉だ。「お酒を控えたい人は、ウォーキングや資格取得の勉強など何か夜にやるべきことを見つけるといい」とアドバイスする。

■リスクある飲酒、女性で増加

 アルコール依存症を治療する東京都目黒区の「まさこ心のクリニック自由が丘」の院長、杉原正子さんは「アルコール依存症は誰もがかかりうる心の病気」と語る。

 厚生労働省の「国民健康・栄養調査」によると、生活習慣病のリスクを高める量を飲酒する人の割合を2010年と19年で比較すると、男性は15.3%から14.9%と横ばいだが、女性は7.5%から9.1%と増加した。

 杉原さんは「心と体の症状や重症度によっては断酒が必要な方もいるし、患者さんによっては短期の断酒を勧めることもある」と話す。少しでも不安があればアルコール依存症治療の専門機関を受診してほしいという。(伊藤恵里奈)

Adblock test (Why?)



from "飲む" - Google ニュース https://ift.tt/vL43WrE
via IFTTT

Bagikan Berita Ini

Related Posts :

0 Response to "コロナ禍3年、酒に飲まれた 専門医「依存症、だれもがかかりうる」 - Au Webポータル"

Post a Comment

Powered by Blogger.