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西尾酒店(大阪・海老江)過去の苦労も笑えるように…4代目店主の味のある人生をサカナに飲む|居場所を見つけた ... - 日刊ゲンダイDIGITAL

 初代は祖父、2代目は祖母、3代目は母、そして4代目がワシ……。ん!? 父はどこに?

「大酒飲みなのに、家業の酒屋なんかまったく興味ない父親でねぇ。会社員で家に帰ってきたら酒飲んで寝とった。店の常連客とも仲よくなって、一緒に近所へよく飲みに出かけとったなぁ。おかげでワシは……」

 えっ!? どうかされましたか?

「婚期を逸しましたよ~。母と2人、盆も正月もなく365日店を開けていたからね。家業を背負い、店に縛られて恋愛する暇もなかった」

 カウンターと椅子が4脚ほど。5、6人も入れば満員か。JR東西線の海老江駅から徒歩3分。居酒屋「西尾酒店」の西尾清志さん(62)はそう言って苦笑いした。

「要領が悪いからあかんわ」

 波瀾万丈の生きざまだ。大学卒業後、祖父の友人が社長を務める兵庫・姫路の酒造会社に就職。3年後の26歳の時に父親が他界し、母親から「祖母も動けなくなってきてる。帰ってきて」とSOSを受けた。父親が体を壊さず、元気で家業を継いでくれていれば……と思った。

 それからはフル回転。近くのタクシー会社や3交代制のメーカーなど、夜勤明けの客が朝7時の開店からやって来た。昼間は地元の老人会のメンバー。夜も会社帰りのサラリーマンが入れ代わり立ち代わり扉を開けた。その間に配達作業が待つ。得意先を回り、時には宴会場にビールの大瓶を数十ケースも届けた。

「さっさと結婚しておけば家族もできて、もっと気持ちに余裕があったんだろうけどね。ワシはホンマ、要領が悪いからあかんわ」

電気鍋で作るおでんは母親直伝

 ここ3年間で3度の入院を経験した。肋骨骨折、原因不明のウイルス感染、そして脳梗塞。4年前に母親が亡くなってから「年を感じるね」と、病魔にこれでもかと襲われている。

 電気鍋で作るおでんは母親直伝の味。これを楽しみに足を運ぶ年金暮らしの常連客とは、これまでの苦労も笑って話せる。西尾さんの思い出話、なかなか味わい深いぞ。

(住)大阪市福島区大開1-12-1
(℡)06・6461・2601
(営)起床後まもなく~19時。日曜・祝日休み
 ▽缶ビール350ミリリットル230円、上撰日本酒180ミリリットルパック120円、おでん100円均一、サラミ・おかき・缶詰130円~

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