胃の流体力学シミュレーションから判明した最適な薬の服用姿勢は「右側臥位(うそくがい)」、つまり右側を下にして寝そべった姿勢だという。
この姿勢だと、普通に体を起こして服用したときより、2.3倍薬の効きが早くなるというから驚きだ。
研究を行ったラジャット・ミタル氏は、「姿勢が薬の吸収の速さにこれほど影響するとは驚きです」と語る。
飲む時の姿勢によって薬の効果の速さに違いが出る
このことろ、さまざまな内臓の働きを正確に表すことができるモデルが考案されている。『Physics of Fluids』(2022年8月9日付)に掲載された研究では、物理学・生体力学・流体力学にもとづく「StomachSim」というモデルで、胃の動きをリアルに再現。飲み込まれた薬がどうなるのかシミュレーションした。
錠剤の多くは、胃ではなく、腸に入ってから効き始める。だから腸の入り口に近いところに落ちて、速やかに十二指腸(腸の最初の部分)に運ばれれば、それだけ早く溶けて効果を発揮できる。
もしも腸の入り口をピンポイントで狙うのなら、重力をうまく利用し、胃の非対称性も念頭におかねばならない。要は、薬を飲むときの姿勢がキモになるということだ。
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ベストポジションは右側臥位
シミュレーションでいくつか姿勢を検証したところ、薬を服用するベストポジションは「右側臥位((うそくがい)」右側を下に寝そべった姿勢だったという。
この姿勢は、薬が胃の一番奥に届きやすく、溶けは体を起こして飲むより2.3倍も速いという結果となった。
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一方、最悪のなのは、左側を下に寝そべった姿勢(左側臥位)だ。この場合、薬が吸収されるまで右側臥位の10倍も時間がかかるという。もし右側臥位で薬が10分で吸収されるのだとすれば、左側臥位だと100分かかるということだ。
2番目にいいのは、普通に直立して飲む場合で、今述べた基準で言えば、薬は23分で吸収する。また背筋をまっすぐ伸ばして寝た姿勢でも、同じくらい速さとのことだ。
薬の効果を速めたいなら、飲むときの姿勢が大切
なお糖尿病やパーキンソン病など、病気による胃の機能低下も、姿勢と同じくらい薬の吸収時間に影響するそうだ。逆に言えば、姿勢はそれだけ大きな違いをもたらすということだろう。
「姿勢には大きな影響があります。薬の溶け具合という点では、ひどい胃の病気に匹敵するほどです」と、ミタル氏は話す。
研究グループは今後、胃の生物力学的な変化を取り上げ、姿勢と病気が薬の吸収や食べ物の消化に与える影響を調べたいとのことだ。
寝そべりながら薬を飲むのはちょっとコツがいりそうだが、2.3倍も速く効くなら、頭痛や解熱など、すぐに症状を鎮静化させたいのなら、試してみるのもいいかもしれない。
私もやってみよう。っと思ったところで気になったのは、飲んだ後はすぐに直立になっちゃってもいいものなのか?10分くらいは寝そべっていた方がいいのかだな。
そこまでは書いてなかったのだが、一応寝そべっておこうかな。
References:HOME HEALTH NEWSRelieve Headaches Faster: Scientists Reveal the Best Way To Swallow Pills / written by hiroching / edited by / parumo
追記(2022/09/15):薬が溶けるを薬の吸収に変更して再送します。
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