◆石井学長語る 講師陣の狙い
静岡大と中日新聞東海本社の連携講座「未来のくらしをデザインする技術」が二十四日からオンラインで始まる。石井潔学長に、講座の狙いや魅力について教えてもらった。 (細谷真里)
−本年度のテーマは「未来のくらしをデザインする技術」。どんな意味が込められているのか。
ちょうど静大では第四期の大学の在り方を考えており、本年度、未来の社会をデザインするというコンセプトで「未来社会デザイン機構」を立ち上げた。今回の三つの講座の研究内容は広い意味で「テクノロジー」だ。アフターコロナという側面も含め、未来社会がどうあるべきか。その視点で、技術革新を日々の暮らしにつなげるさまざまな領域での挑戦を紹介する。
−どんな先生が講師を務めるのか。
一家崇志(いっかたかし)・農学部准教授は、最近会見もしたが、茶のDNA情報からカテキンやカフェインなどの機能性成分を予測する技術を世界で初めて確立した。農業は自然が相手なので研究には時間がかかる。この技術によって効率的な茶の品種改良につながり、生産者・消費者の多様なニーズに応えていける可能性を秘めている。成功すれば、他の品目にも応用が期待される。
佐野吉彦・工学部准教授は熱や物質の移動を扱う「輸送論」を研究する。(血液中の物質を移動して毒素を除去する)透析患者の身体的個性に合わせた透析療法の確立につながる。海水から飲料水を分離したり、薬品を使わずにマグネシウムを回収するなど、応用は他分野にわたる。静大が将来のビジョンとして掲げる医工連携やSDGs(持続可能な開発目標)の視点を備えた研究のわかりやすい事例となると思う。
脇谷尚樹・工学部教授は、世界的な雑誌で論文掲載の成果を積み重ねてきた。磁場がある場所で発生する「オーロラ」を真空装置の中で人工的に発生させ、新素材であるセラミックの薄膜を作る研究をしている。うちの大学の強みである光研究とも結び付いている。
−講座にはどんな狙いがあるか。
今回の三人は、地方の国立大学としての地域貢献だけでなく、世界で通用する研究をしている。ローカルのないグローバルはない。地域産業と結び付いた研究はもちろん、世界にも出せる研究をしていることも強調したい。ぜひ、この講座が、静大でどんな研究が行われ、どんな個性があるのか、多くの方に具体的なイメージを抱いてもらうきっかけとなれば。
−石井学長は本年度で退任となる。これからの静大に託したい思いは。
来年度から新学長となる日詰一幸先生は、静岡キャンパスの中で一番大きい人文社会科学部長ということで、静岡キャンパスの将来像を考えていくのに最適な人物だと思う。
私自身も専門が哲学なのでわかるが、静岡キャンパスにある学部は、社会的ニーズより普遍的な学問を扱う性質の学部であることもあり、これまであまり社会との結び付きを意識しなくても良かった。だが、今後はそうもいかない。守っていかなくてはいけない伝統と、変えていかなくてはいけない部分がある。それをより分けてリーダーシップを取ることが新学長の役割となっていくのでは。
静大は、それぞれの分野では一線の研究者がいるが、彼らを含め分野横断的につなぎ、融合的な教育・研究を進めていくことが今後重要になっていくと思う。伝統的な学問スタイルをどれくらい超えて連携し、新しい方向に乗り出していくか期待している。
◆日程と募集要項
(1)11月24日 一家崇志・農学部准教授「DNA情報で茶の新品種をデザインする」
(2)12月15日 佐野吉彦・工学部准教授「輸送論に基づく透析医療の発展と海水資源回収の実現」
(3)1月19日 脇谷尚樹・工学部教授「人工のオーロラを用いた自然界に存在しない機能材料の創製」
※時間は午後六時半〜八時。いずれもZoomミーティング形式。無料。
申し込みは、Eメール=kaiho@suml.cii.shizuoka.ac.jp=にて先着順。(問)静岡大地域創造教育センター=054(238)4817(平日午前九時半〜午後四時)
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November 14, 2020 at 03:00AM
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